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又吉直樹原作の映画「僕の好きな女の子」で感情移入が過ぎてのた打ち回ってしまった話/レビュー/感想

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映画「僕の好きな女の子」を見て感情移入しすぎてのた打ち回りました。
男女片思い恋愛映画と一言で片づけられない魅力があります!

誰しもが一度は抱いたことのある「好き」って気持ちが溢れかえってます。
万人にオススメしたい映画なので感想などを書いていきます。

後半ネタバレ有なので注意!


作品情報・僕の好きな女の子

芥川賞作家の又吉直樹が描いた4ページほどの恋愛エッセイが原作である本作。

恋愛に不慣れな男性目線で、好きな人への切なく不器用な気持ちが描かれます。

友達だけど、あと一歩が踏み出せない。
誰もが一度は経験したことがあるだろうどこか切ない気持ちが作品全体にあふれています。

 

2015年に「火花」で芥川賞を受賞した又吉直樹が、2017年「別冊カドカワ 総力特集『又吉直樹』」に書き下ろした恋愛エッセイが原作。
監督・脚本は、新進気鋭の劇作家として活躍する演劇ユニット「玉田企画」の玉田真也。又吉作品特有の平凡な日常のささいな瞬間を切り取る優しい目線と、玉田監督の空気を鮮明に映し出す脚本・演出で、恋愛を経験した人なら誰でも共感できる切なさや痛さが散りばめられた等身大の恋物語。世の中にあふれる恋愛映画とは一味違う、純粋すぎる男目線の片思いが観る人の心を揺さぶり、「好き」というたった二文字を伝えることが、恋をすると何よりも尊いものだと教えてくれる。
公式サイトより)

あらすじ・僕の好きな女の子

駆け出しの脚本家である加藤(渡辺大知)は、女友達の美帆(奈緒)と休日に2人で遊びに出かけたり、食事に行く。

自由奔放で予測がつかない行動をする美帆とそれを温かく見守る加藤。
傍から見たら恋人同士に間違えられるほどに仲の良い2人だが、実はただの友達同士。

しかし、加藤は美帆には言えない「好き」という気持ちを募らせていた。

「恋人同士」ではないが「特別な関係」にあると感じている加藤だが、
美帆に「好きな人ができた」と告げられて、2人の関係は変化していく…。

思い通りにならない君だけど、君と言う存在が僕の期待を裏切ったことは一度もない。 会うと些細なことで笑い合っている。バカなことをしてツッコんだりするけど、本当はエルボーとかキックとかじゃなくて君に触れてみたい。 ドラマの脚本も気付けば君を書いてしまう。友人たちにはキミの魅力も煮え切らない関係性も全く理解されない。だけど一歩踏み出してこの関 係が壊れてしまうなら、今のままの君との関係で十分幸せだ。きっと僕の好きな人は永遠に僕のことを好きにならないから
公式サイトより)


感想・僕の好きな女の子 ※ネタバレ有

Twitterで予告編を見て、
音楽や映像の雰囲気、そして又吉直樹さんの言葉の表現に胸打たれ、
そのまま街の小さな映画館へ見に行きました。

「こんなに人を好きになるという気持ちを繊細に描き切った映画があるだろうか」

と感動すると同時に加藤に対していろんな気持ちを想像してしまい
のた打ち回りました。

恋愛経験の少ない人間にとったら、美帆の思わせぶりな行動に一喜一憂する加藤に
みんな感情移入をしてしまうことでしょう。

加藤の友人たちが、加藤が書いた脚本に出てくる美帆をモデルとしたヒロインを男の好意を振り回す「ビッチ」と言ったり、
加藤に片思いをする女性が「加藤さん、ただの良い人じゃないですか」と美帆を批判するシーンがあります。

まるで美帆が性悪で、男を振舞わす小悪魔的存在と映る見方もあると思いますが、
私は「加藤、そうじゃないやろ。そうじゃないねん!」とツッコミを入れてしまいました。
(加藤に感情移入してしまう民はみんな突っ込んだことでしょう)

物語の中盤で、加藤が写真を撮る美帆の個展に呼ばれる場面があります。
この場面って、2人の関係にとってかなり重要なんだと思うんです。

加藤がいつものノリで、美帆の写真を茶化してしまうシーンがあります。
美帆の返しが悪くて、2人の空気が澱みます。
加藤は動揺し、本調子に戻ることができません。

美帆にとってきっと写真って「自分の内面」だったんだと思うんです。

加藤のことを「すごく感覚の合う人」と友人に話していたように、
美帆にとっても加藤が特別な存在だとわかります。

LINEのやり取りや漫画の貸し借り、会話のボケやツッコミ。

それだけでは覗けない自分の内面=写真を見せた時の
加藤の共感を美帆は期待したのに、いつものボケやツッコミという表層上のやりとりだけで
終わってしまうことに少しガッカリしたのでは。

 

結局、加藤は「自分から何もできなかった」
まさに「一歩踏み出すことができない」
今の状態がベストだと思ってるから、関係を壊すリスクを取れない。

 

もしもあのとき、美帆に缶ジュースを渡せていれば。
もしもあのとき、美帆の写真(内面)と向き合っていれば。
もしもあのとき、彼氏と別れた美帆に何か声をかけていれば。
何か違った未来が待っていたかもしれない。
その「もしも」を映画を見た人間も加藤になった気持ちで期待して考えさせてしまう。

 

2人が望んだハッピーエンドではないけれど、
恋人同士になって結婚してっていう

誰もが考えるハッピーエンドではないけれど、
決してバッドエンドではない。

そう思えるほどに、加藤と美帆の楽しそうなやり取りはキラキラと輝いています。

 

今は名前も思い出せない学生時代の「キミ」

今は隣で笑ってくれる恋人や夫や妻の「キミ」

自分にとっての「美帆」といた時間を思い出してしまいますね。

相手の行動に一喜一憂して恥ずかしいハッピーエンドを妄想してしまう、そんな加藤は自分だった…。

 

又吉直樹さんの原作は4ページほどの短編で、それをこの映画に落とし込んだ玉田真也監督に脱帽の思いでした。

 


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